ご挨拶

持続可能な社会の実現に向けて

   あらゆる国々の経済や産業は、世界規模で相互作用をもたらし、複雑に影響を及ぼし合っています。国々の経済や産業への取り組みは、地球環境にも少なからず影響を及ぼしています。これからの人口推移に目を向けると、20年後や50年後の各国の未来予測図が垣間見えてきます。人口の増加と共に経済や産業が拡大し、人口の減少と共に経済や産業が縮小する傾向があるようですが、日本は少子高齢化が着実に進んでおり、これまでの経済や産業の規模を維持することさえ困難な状況に陥る可能性があります。一方で、地球規模の環境破壊が懸念されており、これまで以上に慎重な姿勢で環境問題に向き合いながら、経済や産業の進展に取り組まなければなりません。そのためには、あらゆる面で高度な技術を適用することが必要となるでしょう。日本は少子高齢化問題を抱える中で、いかにして地球環境を保全しつつ、経済や産業の進展に取り組んでいけばよいのでしょうか。私たち人類は、地球というかけがえのない資源の恩恵を受けています。この先も人類が持続可能であるためには、その基盤となる地球自体が持続可能でなければなりません。人類と地球の持続可能性に焦点を当て、国連はSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)を掲げて動き始めています。自然を育み、後世に豊かな地球を届けられるよう、持続可能な社会をつくるために…。
   持続可能な社会をつくるために、私たちには何ができるのでしょうか。私たちは何をすべきなのでしょうか。かけがえのない地球の命を維持し、地球規模の循環型社会を築くためには、循環型社会を構成するあらゆるSystemを統合し、持続可能な地球を構成するためのSystem of Systemsを築く必要があります。世界に暮す人々の、そして日本に暮す人々のために、一人ひとりが身近な持続型Systemに寄り添い、自身ができる改善を積み重ねれば、地球の持続が可能なSystem of Systemsを築くことができ得るのではないでしょうか。地球環境を保全しつつ、経済や産業の進展を支える持続可能な社会の実現のために、個々の力を合わせて多くの課題に挑戦しましょう。
   日本SPICEネットワークは国際標準規格であるSPICE(ISO/IEC 33000シリーズおよびISO/IEC 15504)を活用し、多くの課題に挑戦するために必要なコンピテンシーを身に付け、参加者全員で互いの成長を育んでいくためのプロセス指向のコミュニティーです。ゆえに一人ひとりが半学半教の精神で、互いに高め合える学びの場を提供します。後世に豊かな地球を引継げるよう、そして経済や産業の進展が持続可能な社会を実現できるよう、一人ひとりができることを探求し、困難な課題に共に取り組んで行きましょう。

2019年2月15日
日本SPICEネットワーク代表   河野文昭